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グラン・トリノ

グラン・トリノ
☆☆☆☆☆5.0

グラン・トリノ。

このタイトルが、フォードの車名であることにすぐに思いつく方はかなりの自動車好きであろう。折りしも、この世界不況の波にもっとも晒されているのが、アメリカ自動車メジャー。かつて、いや自動車の歴史と栄光であるはずのその会社もいまや時代遅れの巨像となった現実と重なるように、イーストウッドが演じる老齢の米国人がいる。

自分の人生の栄光のすべてのように、かつての名車を大切にガレージにしまいこんで、妻を先に亡くし、息子夫婦ともそりが会わず、ただ残りの余生を一人で生きていくんだろうというずっと同じ日。

そんな、老いた人生を実にシンプルに無駄なく、冒頭で描いてみせる監督。台詞も小気味よく、人物を描くために無駄がない。

話は、そんなウォルトを描きながら、少しずつテンポを上げていく。

隣の家に越してきた、アジア系移民との交流で、少しずつ心に温かみが戻る描写はとても微笑ましい。
冒頭から、同じカメラ割りをなんども使いながら、彼のこころが変化していく様を描いている。

まるで、少年のように、隣人と語らい、ジョークを飛ばし、そして友人のために何かをする。それが彼の生きがいとなっていく。

でも、その心のなかでは、戦争で負った心の傷が今でもはっきりと残っている。今となっては、清算できない思いあった。

自らの意思で、人生を全うし、答えを出すという結末は、エンディングロールの映像からも目をはずすことができないくらい、とてもいい映画です。

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監督 クリント・イーストウッド 
音楽 カイル・イーストウッド
脚本 ニック・シェンク 
出演 クリント・イーストウッド(ウォルト・コワルスキー)
     ビー・ヴァン(タオ・ロー)
     アーニー・ハー(スー・ロー)
     クリストファー・カーリー(ヤノビッチ神父)

以降はネタバレ注意。

エンディングロールとともに流れる、イーストウッドの歌声は最高です。

それと、冒頭は頼りない風貌に見えた神父は、なぜか最後には、神の代弁者のように見えてきてしまうのが、監督のマジックでしょうか。

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