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それでもボクはやってない

それでもボクはやってない
☆☆☆☆☆5.0

しっかりとしたすばらしい映画でした。

周防監督が「Shall We ダンス?」以降11年ぶりに撮った映画で、そのしっかりとした地道な取材を元に丁寧に脚本づくりを行なっている。
涙あり笑いありの娯楽映画ではないが、143分という長めの映像は観ているものを決して飽きさせない。

テーマは痴漢冤罪の司法裁判である。
痴漢という身近に潜んでいそうな犯罪を題材に、進む。
主人公が痴漢はしていないから、裁判官もしくは裁判にてわかって貰えるとどこか信じているのだがしかし、
社会システムはそんな風にできていない。
刑事、警官、弁護士まで、痴漢容疑の主人公に対し、「さっさと認めてしまえ」という。そこには真実は必要がない。状況だけだ。必要なのは、誰もが納得できるわかりやすい辻褄だけだ。

社会というのは、おそろしい。

主人公が拘留され家宅捜索に来た警官に大家がいう、「前から怪しかったと思ってたんだ」
警官「どうしてですか」
大家「いや、なんとなく」

そこに真実はない。都合のいい、あとづけ。きわめて事務的に。

監督は社会のいい加減さを描きだす。
いや、社会というものはそんなものなんだ、信じるな、だまされるなといっているのか。
なんか、医療システムも同じだ。

主人公を含め熱い演技は最小限である。しかし、行間を埋める各演者の演技はすばらしい。
加瀬亮の演技もよい。個人的には瀬戸朝香演じる弁護士が徐々に主人公を信頼していく過程が人間味があってよかったと感じた。

20061205

2007年
上映時間 143分
監督 周防正行
出演 加瀬亮 、瀬戸朝香 、山本耕史 、もたいまさこ

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